パテントプ-ル
ある大学のA先生が、トリグラディに相談に見え、X氏に疑問をぶっつけました。

A: Xさん。最近パテントプ-ルが問題になっているのですが、どのようなものかよくわかるように説明して下さい。
X: パテントプ-ルというのは、関連性のある、しかし特許権者の異なるいくつかの特許をひとまとめにして集中管理しようとするものです。
A: なぜそんなことをするのですか。
X: パテントプールは、技術標準を確立するための手段として生まれたものです。
 ある製品や技術について、これを広く利用していただくためには、個々の製品ないし技術の保有者がてんでバラバラに活動したのでは非効率的です。昔のVHSとベータ戦争のように、どちらかがメジャーになるまで一般規格化されないことになるからです。そこで、ある製品の互換性を目指して、複数の企業が、その製品の技術の統一、標準化を図ることが必須となります。
 その前提として、その製品の各企業が保有する特許のうち、技術標準の規格化に必要なものを、一つの企業ないし組織に集中(プール)して、標準化を目指す企業に一括してライセンスすることをパテントプールといいます。技術標準を目指す企業=ライセンシーは、ライセンス条件の公平性と個別ライセンス交渉が不要となるというメリットがあります。動画圧縮のMPEG2は、この方式で9社がパテントプールを行い技術標準化に成功しました。
A: そのほかにどんな場合に使われますか。
X: 例えば、親会社の持っている特許と、子会社の持っている同じ技術の特許を纏めて親会社が管理することにすれば、親会社と子会社の間や、子会社相互間で、いちいち実施許諾の交渉をすることなく、それらの特許を自由に利用することができるという特長があります。
A: へえ-、そうなんですか。実は私の属している大学でパテントプ-ルを作ってはどうかという案が持ち上がっています。大学でのパテントプ-ルというと、どういう風になるのですか。
X: それはその案の内容を詳しくお聞きしないと正確なことは言えませんね。大学の持っている特許と、先生方が個人でもっておられる特許を、大学がひとまとめにして管理しようということなのでしょうか。パテントプ-ルは技術テ-マ毎に作るものですから、大学には沢山のパテントプ-ルができることになりそうですね。
A: そういえば、私は、まだ大学が特許を自分で管理すると言い出す前に出願した特許をいくつか持っています。するとパテントプ-ルができると、私の特許は大学が管理することになるのですか。
X: そうなるのかも知れません。大学がまとめて管理すると、それらの特許を実施したい企業を先生方が個人的に探すより効率よく探し出し、実施料収入を得ることができるとのメリットが考えられます。
A: あ-そうですか。そうだとすると、利用されていない特許をお持ちの先生方には便利な制度ですね。
 でも、私はその自分の特許で近くベンチャ-企業を立ち上げようと思っているのですが、私の事業計画にはどのような影響があるのでしょうか。例えば、特許権者としての私は、大学が見つけてきた実施希望会社が私の予定しているベンチャ-企業の競争相手となると判断したときは、その相手に実施許諾してもらっては困るとの拒否権が認められるでしょうか。
X: そうですね。おそらくパテントプールの枠組み作りの際に、特許権者は、大学に包括的な再許諾権付与及び再実施業務の包括的委託をすることが多いと思われますから、大学が個々の実施交渉を行う際に、改めて特許権者に個別同意を求めることはない場合が多いのではないでしょうか。
A: とすると、最初のパテントプ-ル契約の際十分注意しておく必要がありますね。例えば、実施権の付与には改めて特許権者の承諾を要する、との項目を契約に盛り込むよう主張できるでしょうか。
X: そのような場合、個別の条件交渉を認める方式として、パテントプラットフォーム方式というのがあります。この方式にしておけば安心なのではないでしょうか。
A: では、教授会でこの問題が出たときは、そのように主張することにしましょう。
 ではもう一つ、私はいくつかの会社と共同研究をしてきましたので、私とその共同研究相手会社との共有となっている特許をいくつか持っています。これらの特許は、一つの基本的考え方で統一できますので、Xさんのさっきのお話しを元に考えると、それらを纏めてパテントプールを作ると管理上便利かと思いますが、どうでしょうか。
X: 共同研究相手の会社の同意がないとできないと思います。同意してくれるなら、まとめて実施許諾するときなど便利でしょうね。パテントプ-ルを作るときの契約にもよりますが、先生がそのベンチャ-企業にご自分の特許をまとめて実施許諾するのが簡単になると考えられます。
A: いや-勉強になりました。やはり自分で考えているよう専門家に相談する方が良いですね。
 いずれの場合も契約書をしっかり作ることが重要なようですが、私は研究が仕事なので契約書のことはよくわからないのですが。
X: トリグラディには特許の契約に慣れた弁護士が所属しています。そのようなことはわれわれ専門家にお任せ下さい。
A: それを聞いて安心しました。では話が具体化したときには、よろしくお願いします。
X: お役に立つことができれば光栄です。これからもいつでもお越し下さい。
                                           (文責:小川禎一郎)
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# by TRIGLA | 2006-05-10 10:56 | ちょこっとマメ知識
王ジャパンおめでとう!
王ジャパンおめでとう!
 公認会計士の上野です。
 WBCを観戦していて、チームプレイのすばらしさを再認識しました。決勝戦でのショートの川﨑のエラーにはヒヤヒヤしましたが、ベンチを含めた全メンバーがそのミスを致命傷にしないよう懸命にプレイしている姿に感動しました。士業は個人の能力に負うところも確かにありますが、一人でできることには限りがあります。税理士法人となることやトリグラディのような組織は、「限界」という名の垣根を取り払い、大きな「可能性」を手に入れるということです。規制緩和や税法の大幅な改正などの会計環境の変化にも柔軟に対応でき、データベースが増えることによってクライアントへの情報提供能力もアップします。自分が万一ミスした時に王ジャパンのようにサポートしてくれる仲間ができるということはすばらしいことだと思います。

 私は4月から税理士法人となり、上野個人の税理士事務所は無くなりますが、個人事務所から税理士法人にチェンジする意味を常に自覚しつつ、いままで学んだことや経験を今後に生かし、クライアントの皆さんのため、税理士法人のスタッフのため、家族や友人達のために、私の今後の人生を懸けることができれば幸いと考えています。

 なお、私をモチーフにしたマンガ 小姑おやじ の部屋ができましたので、息抜きに見てくださいね。
 http://kojuto-oyaji.cocolog-nifty.com/blog/
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# by TRIGLA | 2006-03-27 23:54
どこにでもある話し??
みなさん、はじめまして。公認会計士の吉田豊道です。
全国的に、遅れているといわれる紅葉ですが、ようやく大阪でも綺麗に色づき始めました。
その大阪で先日の日経新聞に『バイオベンチャー企業(大阪市)が、株式上場すると偽り多額の出資金を騙し取ったとして、警察が同社の女性社長(52)宅を詐欺容疑で家宅捜索していた事が分かった。同社は「大阪市内の大学と共同で納豆菌の主成分のポリグルタミン酸で水質を浄化する事業を始める」などと宣伝。2001年3月、「上場資金が必要。出資金が5倍にはなる」などと持ちかけて、大阪府内の男性から約900万円の出資を受けたが、事業は実現しなかった。同社は少なくとも約30人から約35百万円の出資を受けたとみられる』との記事がありました。
この記事の中の女性社長が本当に上場をするつもりであったか、そもそも事業化できるシーズであったか等は捜査の進展を見ないと分かりませんが、その他の真面目なベンチャーもしくは資金提供者であっても、同様の事件に直面する可能性があるという意味で示唆に富む記事だと思います。
すなわち、バイオベンチャーは設立当初には、ベンチャーキャピタルなどの金融機関からは融資を受けることは難しく、いきおい親戚、知人、友人などの個人的なつながりから資金提供を受ける事が多くなると思われます。この資金は、シーズが事業化でき、ベンチャー事業が軌道に乗ってくれば、上場や事業の売却等により多額(記事では5倍ですが、それ以上)のリターンを得る事も可能となります。
しかし、ここで問題となるのは、ベンチャーに投資をする事による、リスク(資金のリターンがゼロになるかもしれないリスク)に関する説明をベンチャー側がきちんとし、また資金提供側もそれをきちんと理解していたか否かです。
バイオに限らずですがベンチャーは、事業化するシーズの出来・不出来、その市場の有無、ベンチャー側の経営能力等様々な不確定な要素に左右され、事業が成功する可能性はとても低いものです。それに対する資金提供がハイリスク・ハイリターンである事を説明し、知る必要があります。
我々トリグラディプロジェクトは、ベンチャー側に対しては、事業化のコンサルティングを行う事により、成功への道筋をつけるお手伝いを行い、また、資金提供者側には、ベンチャーの事業化の可能性を客観的に判断することによる、投資可否のお手伝いを行う事が出来ます。
又、両者の間に入り、ベンチャー側と資金提供者側をつなぐ事も可能です。
ベンチャーによる事業化を考えている方、ベンチャーに資金を提供しようと考えている方、まずはトリグラディ・プロジェクトまでご連絡ください!、
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# by trigla | 2005-11-23 18:06 | 日々の雑記
早期の上場審査通過
 皆さん、こんにちは。公認会計士・税理士の吉永徳好です。景気回復し、企業業績も急成長し、新規上場する会社が増えてきています。上場するには、証券取引所の審査及び幹事証券会社の審査を通過しなければなりません。審査では企業の成長性、上場しますと企業の各種情報をタイムリーに公表する必要があることから情報開示ができる体制になっているか、不正がおこなわれにくい管理体制になっているか等がチェックされます。昨今では、証券会社は、多数の上場候補の会社をかかえていますので、これらの候補会社に優先順位を設けています。優先順位を早くしてもらうには、チェックされる内容が最低合格点にいることは当然のことながら、高得点をとれるようにしておく必要があります。あるいは、審査を通過できる証券会社に幹事証券を変更することをも検討する必要な場合もあります。どのようにするかは、上場指導経験があるメンバーがいるわれわれにご相談ください。
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# by TRIGLA | 2005-11-18 23:30 | 日々の雑記
特許出願前の留意事項について
弁理士の横井です。新規性についての注意点を、簡単な例を挙げながら説明します。
Aさんはある発明を完成させました。さっそくその発明を発表し、製品として売り出しました。するとたいへん評判がよく、売れ行きも良好でした。Aさんは「自分の発明は反響が高く優秀だ。真似されないうちに、今からでも特許をとりたい。」と考えました。たしかに、Aさんの発明が世間で高く評価されたことは紛れもない事実です。しかしながら、「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明」については特許を受けることができません。特許を受けるには、その発明が従来なかった新しいものであること(新規性)、誰しもが容易に思いつくものではないこと(進歩性)が必要となります。たとえ発明者本人による行為であれ、既にそのアイデアが世の中で実施されている以上、新規性が失われてしまい、もはや特許を受けることができません。ですから、発明を実施したり、発表する前に出願を検討するということが非常に大事です。
 ところで、日本に出願する場合、出願と同時に申出ることで一定の新規性喪失の例外(刊行物に記載、研究集会で文書により発表、公開での実験、博覧会に出品等)が認められており、当該行為については例外として新規性を失わないものとして取り扱われます。もっとも、論文発表後出願までの間に他人が同じ内容の出願をしてしまっていたら、後願となってしまうので論文を書いた本人は特許を受けられないという事態が起こりえます。このように例外を受けられるといっても万全ではありませんし、その間にも他人に改良発明の機会を与えてしまうこともありえます。また、特許制度は各国ごとに政策的に定められたものですから、他の国でも同様に保護されるとはかぎりません。欧州への出願の場合は日本と比べると非常に狭く、学会での論文発表等は例外となりません。ですから、発明が完成したときには、発表や発売の前に、出願をするかどうか、対応方針を前もって検討しておくことが重要です。
 また、社内での情報管理という視点以外にも、事業化に先立って業者と折衝したりする場合には、予め秘密保持契約書を結ぶなどして情報をコントロールしておくことも大切です。
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# by TRIGLA | 2005-10-26 01:15